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作用機序 「再生不良性貧血に対する作用」

再生不良性貧血の発症機序は、いまだ明らかにされていませんが、何らかの免疫学的異常により造血幹細胞を異物として認識したT細胞から産生されるIFN-γ、IL-2などのサイトカインの関与が想定されています。シクロスポリンは、T細胞からのIL-2や造血抑制性サイトカインであるIFN-γ、細胞傷害性サイトカインTNFの産生を阻害することが報告されており、これらの作用により造血幹細胞の傷害を解除することが示唆されています。

再生不良性貧血に対する作用 図解
TNF:Tumor necrosis factor(腫瘍壊死因子)
SCI:Stem cell inhibitor(造血幹細胞抑制因子)
IFN-γ:Interferon-γ
LT:Limphotoxin
TGF-β:Transforming growth factor-β(形質転換増殖因子)

中尾眞二:造血因子, 4(3), 278, 1993【SIM J07513】
Nakao, S. et al.:Exp. Hematol., 23(5), 433, 1995【SIM M20866】
Viale, M. et al.:Haematologica, 77(3), 237, 1992【SIM M15306】


造血抑制性サイトカイン産生を抑制(in vitro

再生不良性貧血患者より樹立した複数CD4陽性T細胞クローンを患者自身のCD34陽性細胞と共培養しました。その結果、自己のCD34陽性細胞に対して強い増殖反応を示すT細胞クローンSN19は、IFN-γを産生しましたが、増殖反応を示さないT細胞クローンSN15は、IFN-γを産生しませんでした。これにより、再生不良性貧血患者では、自己の幹細胞を認識し反応を示すT細胞の存在が示唆されました。

■患者由来T細胞クローンのIFN-γ産生能

患者由来T細胞クローンのIFN-γ産生能 図解

また、T細胞クローンSN19は、自己のCD34陽性細胞によるコロニー形成を強く抑制しました。この培養系にシクロスポリンを加えたところ、コロニー形成の抑制が解除されました。以上により、シクロスポリンは、造血抑制性サイトカインIFN-γ産生を抑制することにより、CD34陽性細胞由来のコロニー形成を回復させるものと考えられます。

■骨髄細胞コロニー形成に対する患者由来T細胞クローンの
  作用とシクロスポリン添加による影響

骨髄細胞コロニー形成に対する患者由来T細胞クローンの作用とシクロスポリン添加による影響 図解

方法:
シクロスポリンに高感受性を示した再生不良性貧血患者の骨髄細胞よりCD8、CD4細胞を分離し、シクロスポリン投与後の寛解期の患者骨髄より採取した血液幹細胞を含むCD34細胞(X線照射処置)と共培養した。培養T細胞から限界希釈法によりCD4細胞のT細胞クローンを単離し、CD34細胞に対して増殖反応を示すT細胞クローン(SN19)と増殖反応を示さないT細胞クローン(SN15)を選別した。

Nakao, S. et al.:Exp. Hematol., 23(5), 433, 1995【SIM M20866】




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