ネオーラル文献紹介
【標題】特集:シクロスポリンMEPCの臨床研究 タクロリムス投与中の肝移植患者におけるシクロスポリンMEPCへの切り換え投与経験
- 【雑誌名】猪股裕紀洋ほか:今日の移植 12(S), 117-123, 1999
- 【抄録】生体部分肝移植術後,タクロリムス(FK)にて免疫抑制療法を行っていてシクロスポリンへ(CYA)の切り換えを必要とした4例の肝移植患者を対象として,シクロスポリンMEPC(NEO)への切り換え投与を行った。FKの投与はNEO投与開始2日前の午前の服薬にて中止した。NEO投与開始まではステロイド剤のみとした。[症例1] 14歳,男。先天性胆道閉鎖症のため父親をドナーとして肝移植を施行。術後38日間FK療法を実施してきたが,肝機能の安定が得られないためNEOへ切り換えた。NEO120mg/bodyを投与したところ,激しい嘔気・嘔吐が発現したためNEOの投与は中止した。[症例2] 7歳,男。ウイルソン病による溶血発作のため劇症肝不全を発症し,父親をドナーとして肝移植を施行。FKによると思われる全身痙攣,意識消失をきたしたためNEOへ切り換えた。NEO投与期間中全身痙攣,意識消失の発現はなかったが,投与20日後より歯肉肥厚が発現し,試験終了2ヵ月後まで持続した。また,切り換え8日後に拒絶反応が発現したが,ステロイドパルス療法にて軽快し,NEOの投与は継続した。[症例3] 6歳,男。先天性胆道閉鎖症のため母親をドナーとして肝移植を施行。4年間FK療法を維持してきたが,断続的に高アミラーゼ血症がみられたためNEOへ切り換えた。切り換え後血清アミラーゼ値は順調に下降し,肝機能も安定した。4週後、転院のため治験を終了し、CYA現行製剤へ切り換えた。[症例4] 10歳,男。先天性胆道閉鎖症のため,母親をドナーとして肝移植を施行。3ヵ月間FKにて免疫を抑制してきたが,ほぼ1ヵ月に1回,軽度から中等度の拒絶反応を発現したことから,アザチオプリンを追加するとともにNEOに切り換えた。8週間の投与期間中拒絶反応も新たな有害事象も発現しなかった。以上より,NEOの有効性および安全性はこれまでのCYA製剤と変わるところはないものと考えられた。
- 【文献No】SIMJ15611
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