ネオーラル文献紹介
【標題】特集:シクロスポリンMEPCの臨床研究 肝移植におけるシクロスポリンMEPCの使用経験-第2報- タクロリムスからの切り換え投与
- 【雑誌名】橋倉泰彦ほか:今日の移植 12(S), 109-115, 1999
- 【抄録】タクロリムス(FK)の投与継続に問題のある肝移植患者4例を対象としてシクロスポリンMEPC(NEO)への切り換え投与を行った。FKの投与を中止し,NEO 2-3mg/kg/日を目安として投与を開始し,その後,血中トラフ値によりMEPCの投与量を調節した。試験期間は12週間としたが,NEOにより良好に維持された患者については試験期間終了時まで投与を継続できることとした。[症例1] 1歳,女。先天性胆道閉鎖症のため父親をドナーとして生体部分肝移植を施行。肝機能障害を認めたためNEOに切り換えたが,投与開始9日目に急性拒絶反応を認め,再度FKに変更した。[症例2] 22歳,女。先天性胆道閉鎖症のため父親をドナーとして生体部分肝移植を施行。振戦が認められるためNEOに切り換えた。その後振戦は消失したが,NEO投与開始8週後にHBc抗体陽性のドナー肝より感染したB型肝炎が発症した。中等度の細菌感染症も認められた。NEOは継続投与したが,37週後にB型肝炎に対するワクチン治療を行うためNEOの投与を中止した。[症例3] 6歳,男。原因不明の乳児肝炎のため海外で死体肝移植を受けた。てんかんと高血圧を合併していた。FKのトラフ値が安定しないため,NEOへ切り換えた。投与開始初期にGPT,総コレステロール,尿酸の上昇が認められたが,臨床上問題となるものではなかった。43週間の投与期間中拒絶反応は認められなかった。[症例4] 11歳,女。先天性胆道閉鎖症のため母親をドナーとして生体肝移植を施行。めまいが発現したため,NEOに切り換えた。NEO投与開始後めまいは徐々に軽減し,投与8週後には消失した。トラフ値は安定し,肝機能にも著変を認めなかったが,投与3週目より中等度の多毛が発現した。40週間継続投与した。今後さらに症例を集めて検討する必要はあるが,NEOはシクロスポリン現行製剤と同様に使用しうるものと考えられた。
- 【文献No】SIMJ15610
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