ネオーラル文献紹介
【標題】腎移植患者におけるシクロスポリンMEPCの薬物動態試験 - 現行製剤を対照とした交差比較二重盲検試験 -
- 【雑誌名】高原史郎ほか:今日の移植 12(S), 5-24, 1999
- 【抄録】日本人の腎移植患者19例(男12,女7)を対象にMEPCの薬物動態について現行SIM経口製剤(現行製剤)を対照として4期4群交差比較二重盲検薬物動態試験で検討した。薬剤は、SIMカプセル25mgおよび50mgと外見上同じMEPCカプセル25mgおよび50mgカプセルを使用した。また,付随的に耐容性についても検討を行った。なお,薬物動態試験の評価項目として以下の項目を設定した。血中濃度-時間曲線下面積(AUC 0-12hr),最高血中濃度(Cmax),最低血中濃度(Cmin),最高血中濃度到達時間(tmax),%PTF(Peak-Trough fluctuation)=(Cmax-Cmin)/(AUC/ τ)×100 τ:投与間隔。その結果,%PTFの個体内変動,およびtmax,AUC/Dose,Cmax/Doseの個体内変動をMEPCは有意に減少させ,有意ではないものの,AUC等の個体内変動を減少させた。また,AUCとCmin(トラフ値)との相関が向上した。加えて吸収不良症例の薬物動態の改善効果が確認されるとともに,吸収に問題のない症例において両製剤は薬物動態上ほとんど同じSIM血中濃度推移を示すことがうかがわれた。AUCはMEPCにより平均で約20%,Cmaxで約35%上昇したが,現行製剤によるSIM吸収が低い患者における吸収改善が影響したと考えられた。個々の症例の薬物動態パラメータにおいて,MEPCは現行製剤と同程度かあるいは大きいAUCを常に示したことから,投与量が同じ場合,MEPCは少なくとも現行製剤と同等以上の臨床効果を示すと理論的に考えられた。なお,有害事象は5例に5件発現したが,このうち感冒症状の2例と歯痛の1例は,SIMとの関連性が否定され,一過性の頭痛が関連性「多分あり」,血圧上昇が関連性「不明」であった。また,臨床検査値異常は7例8件に認められたが,このうち5件は因果関係「なし」と判定され,トリグリセライド値上昇1件とP上昇2件が因果関係「不明」であった。
- 【文献No】SIMJ15603
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