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ネオーラル文献紹介

【標題】多施設共同研究による腎移植におけるシクロスポリンの臨床評価に関する研究

【雑誌名】岩崎洋治ほか:移植 20(S), 399-421, 1985
【抄録】1982年4月から1984年2月までに7施設で慢性腎不全患者に行われた生体腎移植、死体腎移植における拒絶反応抑制効果を既存対照群(1979年1月から1981年12月までに同施設で行われた腎移植、アザチオプリン、プレドニゾロン(P)、メチルプレドニゾロン(MP)、ブレジニン使用)と比較検討した。症例はCYA群238例(男169、女69、生体145、死体93、8-57歳)、対照群283例(男212、女71、生体199、死体84、7-67歳)である。対照群では観察期間が1年を超えているが、CYA群では1年以上観察は生体移植で33例、死体移植で28例で、平均観察期間は生体移植で223.2±9.6日、死体移植で268.0±9.6日である。P、MPを併用したが、ステロイド使用量は対照群の約半量であった。1)CYA群の累積1年生着率は生体移植で93.2%、死体移植で79.2%、対照群の実測1年生着率は生体移植で77.4%、死体移植47.6%でCYA群で有意に勝っていた。また、CYAの1年経過例での生着率は生体移植で31/33例(93.9%)、死体移植で20/28例(71.4%)であった。2)CYA群の累積1年生存率は生体移植で96.9%、死体移植で94.5%、対照群の実測1年生存率は生体移植で94.0%、死体移植で79.8%で、死体移植でCYA群が有意に勝っていた。3)急性拒絶反応発現率は生体移植で、CYA群57/145例(39.3%)、対照群141/199例(70.9%)、死体移植でCYA群40/94例(42.6%)、対照群72/84例(85.7%)でCYA群で有意に少なかった。また、1例あたりの発現回数で比較してもCYA群で有意に少なかった。4)入院日数は生体移植でCYA群54.7±2.6日、対照群91.0±3.0日、死体移植でCYA群68.5±5.2日、対照群91.1±5.3日とCYA群が有意に短かった。5)副作用発現率は全例では生体移植で49.0%、死体移植で46.8%であるが、1年経過例ではそれぞれ72.2%、42.9%で対照群の56.3%、71.4%比較すると死体移植で有意に少なかった。主な副作用は、腎障害、肝障害、多毛、振戦、消化管合併症、感染症等で、対照群と比較し肝障害、骨髄抑制、消化管障害等は少なくなったが、新たな問題として腎障害が発生している。死亡例はCYA群で9例(3.8%)、対照群で29例(10.2%)で、CYA群で有意に少なかった。上記より、生着率、生存率、副作用発現率等でCYA群がすぐれていたが、腎毒性の発現がみられた。しかし、CYAの腎毒性は可逆的であるため十分コントロ-ル可能であると考えられる。
【文献No】SIMJ00470
 
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